財務省が防衛費GDP2%を阻止する

2022年6月現在、日本の防衛大臣岸信夫氏である。安倍晋三元総理の実弟であり、日本を敵視し侵略の機会を伺う中国・ロシア、そして北朝鮮に対する毅然とした姿勢を持ち、非常に信頼できる防衛相である。

また、岸防衛相はASEAN東南アジア諸国連合)各国の国防相達に対して「ロシアのウクライナ侵攻はインド太平洋地域の問題でもある」と、周辺各国に対して武力で威嚇し続ける中国を念頭に置いてルールに依る国際秩序を守る事が重要と強調している。こうした動きは中国が嫌がるものでもある。そして中国が嫌がるということは、中国ベッタリな岸田首相や林外相が嫌う…ということでもあるのだ。それは逆に言えば、日本にとって正しく頼もしい人物である、ということになる。

もう一つ。

日本の防衛を司るのは防衛大臣だけでは駄目で、防衛事務次官の存在が重要である。大臣と事務次官の足並みが揃って仕事が進むのだ。そして、つい最近まで防衛事務次官を務めていたのは島田和久氏である。島田氏は安倍元総理に近い人であり安倍氏の秘書官をしていた人物である。また、安倍元総理が主張する「日本の防衛費をGDP比2%にする」事を実現する為にも大切な人物なのである。

ところが…。

6月17日に防衛省はこの島田和久事務次官を退任させ、後任に鈴木敦夫防衛装備庁長官を充てる人事を発表した。これは各方面に驚きをもたらしたのだ。

なぜか。

この動きは建前上は通常の人事異動とされているが、その裏にある真の理由は財務省に依る防衛費GDP比2%潰し」の動きなのである。

どういうことなのか?

この辺の裏事情について数量政策学者の高橋洋一氏が解説しているので、その内容を基調に記してゆく。

島田事務次官を退任させて、新たに鈴木事務次官を就任させるのは一見通常の人事に見える。ただ、防衛省の場合は年末に様々な長期計画の話があるので、それを考えると今のこの時期に事務次官を交代させるのは「妙であり、おかしい」ということになるのだ。安倍元総理もこの人事異動に反対したが、岸田氏は聞く耳持たずに「変える」の一点張りで交代をゴリ押ししたのである。

上述のように島田氏は安倍氏の秘書官をしていた。その島田氏が安倍氏の意を受けて「防衛費GDP比2%」を遂行する任務を負っていた…そういう人である。それが岸田総理にとっては不都合だ、ということで交代させたのではないか、と言われているのだ。官邸側は島田氏を政策参与にして活用する、と言うのだが、これは役人的に見るならば政策参与と事務次官ではとんでもない格差があるのだ。もちろん事務次官の方が遥かに格上なのである。なので「活用する」というのも誤魔化しであり、完全に「島田氏を退任させること」が目的で行われた人事なのである。ここははっきりさせておいた方が良い。政策参与として活用することでなんとなく痛み分けのようにも見えるが全くそうではないのだ。これは岸田首相が完全に押し切った結果なのである。

実は、これにはもう少し布石がある。

現在、防衛省というのは上述のように「岸-島田ライン」で動いている。安倍晋三氏の実弟である岸氏が防衛大臣であり、その下に安倍氏の秘書官をやっていた島田氏が防衛事務次官である。これは完璧なラインである。これを今度の参議院選挙以降に岸田政権の「内閣改造の際に岸氏を外す」という予定とセットになっているのだ。

ならば、岸氏を外して誰を防衛相にするのか?

現在の内閣総理大臣補佐官をしている寺田稔氏が有力とされている。寺田氏は広島出身で、高橋洋一氏とは財務省で同期だった人物でもある。つまり財務官僚だ。高橋氏いわく「コテコテのTHE財務省」という人物だそうだ。(笑)

そうなると現在の「岸-島田」ラインと次の「寺田-鈴木」ラインでは向いているベクトルは全く違うことになる。これはどういうことなのか?

これは財務省が防衛費のGDP比2%を阻止した」、ということになるのだ。そういう策略なのである。

喫驚するような話だが、実はこれだけではない。

防衛費の予算要求に関してはとても重要な人物がもう一人居るのだ。

防衛事務次官の下に会計課長という役職がある。この会計課長が財務省に対する予算要求の責任者なのである。そしてこの会計課長はなんと財務省からの出向者なのである。(!)

つまり、今までは

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防衛大臣安倍氏実弟

島田事務次官安倍氏元秘書官)

会計課長(財務省出向者)
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というラインであり、いかに財務省出向者と言えども会計課長は自由にはできない(財務省の狙い通りにはできない)のである。

ところが次は・・・。

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寺田防衛大臣財務省出身)

鈴木事務次官(中立?)

会計課長(財務省出身)
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というラインになり、財務省の思い通りにできる布陣になる…そういうことなのである。

その防衛予算についてだが、そもそも要求しなかったら予算はつかない…当然である。だから防衛省から財務省に予算要求する時に総額を低く抑えておけば防衛省に潤沢な予算はいかなくなるのだ。それを実現する為の布陣…それが今回の人事であり、参院選後に予定される内閣改造なのである。

つまり財務省に依るそれら一連の工作の第一弾が防衛事務次官の交代で島田氏を外す事、なのである。
繰り返すが、これが財務省に依る「防衛費GDP比2%」潰しの戦略だ。そして、「財務省はこのくらいのことは普通によくやる」と高橋氏は言う。

最近の日曜日に行われたテレビの報道番組での党首討論の時にも岸田首相は防衛費の話についてあまりクリアには話していない。それは上記のような裏側の策略があるから、なのである。

ただ、言っても防衛費である。現在、ロシアのウクライナ侵攻を受けてそれまで軍事費を抑えていた世界各国がGDP比2%に増やす動きが目立っている。あのドイツでさえ慌てて「2%に上げる」と宣言したのだ。それくらい世界中に危機感が漂っているのだが、この世界情勢を眼前にしても財務省はお金を出したくない一心でこんな策略を弄する財務省は何を考えているのだろうか?

GDP比2%に増額しないということはすなわち日本の防衛力が脆弱なままでいい、という事に他ならない。それは間違いなく凶悪な中国やロシア、さらに北朝鮮に依る日本侵攻が現実のものになる可能性が高くなる、ということでもある。財務省官僚にはこれが判らないのだろうか。(*1)

日本の防衛予算は長い間、GDP比1%に抑えられてきた。それは何のルールもなく、なんでそうなっているのか誰も説明できないのだが、実は防衛省の会計課長が長らく財務省出身の人間が担当しており、防衛費を1%以内に抑えてきたからなのだ。それ以上は要求しないのである。仮に会計課長が防衛省側の立場で予算を要求したらその課長は永久に財務省に戻してもらえないだろう。(笑)

なので、防衛省の会計課長を変えない限り防衛予算が低く抑えられてしまう状態は今後も続くことになる。もちろん上の人間(事務次官&大臣)もだが。ちなみに昔は防衛事務次官も直接財務省から出していた時代もあったのである。防衛大臣は頻繁に変わるので、この件を是正することも叶わないのである。全然駄目なのだ。

結局、防衛費がなぜGDP比1%に抑えられたままであるかの理由は防衛事務次官と会計課長が財務省の人間に取られたままだから、ということだ。


ちなみに防衛事務次官の人事というのは簡単である。現在、岸信夫氏が防衛大臣であるにも関わらず、どうして事務次官を交代させられてしまうのかと言えば、事務次官人事は首相官邸でやるからである。なので防衛大臣がいくら言っても現在の官邸内の副長官の木原氏(これも財務省出身)など財務省関係者が全部居るので、財務省好みの人事になるに決まっているのだ。

さらに、次期防衛大臣と目される寺田稔氏の奥方は故・大平正芳元総理の孫である。大平氏宏池会(*2)である。つまり宏池会コテコテの寺田稔氏、ということだ。その寺田氏が現在の総理大臣補佐官なのであり、選挙後に防衛大臣に横滑りすると予想されているのだ。それは宏池会の流れとしても自然なのである。

そうなると、財務省宏池会で防衛費GDP比2%が実現しない可能性が高くなる・・・そのような懸念が出てきているのである。


我々日本国民としては今度の参議院選挙で自民党にはお灸を据える事が必要かもしれない。このまま岸田首相に好きにやらせておくと、本当にマジで日本が危険な状況に陥る可能性が高いのだ。(*3) 岸田氏だけではない。自民党公明党や野党、そしてマスゴミには亡国論者や売国奴がウヨウヨ居るのだ。




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(*1)
財務官僚が防衛費を出したくないのは単にお金を出したくないのか、それとも中国などと通じている(つまりスパイ)からなのかは不明だが、仮に中露と通じていて、中露に指示されて防衛費を抑えようとしているのならとんでもない事である。
そして、財務省の望み通りに防衛費を抑えた結果として日本が中国やロシアに侵略された場合、中露はまず日本国内で中露に味方した連中(*1a)から粛清(処刑)していくだろう。それが彼らのいつものやり方だ。自国を平気で裏切るような人物は中露も信用しないのである。

(*1a)
防衛費増額を阻止した財務省官僚や中露に奉仕する外務省官僚といった連中である。親中・親露な政治家も同様だ。愚かな人々である。

(*2)
宏池会財務省出身者など財務省べったりな人間しかいない派閥である。しかもコッテリと親中だ。最悪な派閥であり日本にとって害悪でしかない。もちろん岸田首相も宏池会であり、しかも会長である。

(*3)
ウクライナの惨劇は遠くの出来事ではない。ウクライナを侵略して残虐行為の限りを尽くすロシアは日本の隣国でもあり、中国は台湾と同時に尖閣諸島も本気で狙っている。中露は共同して日本列島の周囲を空軍機や軍艦で周回する威嚇行動を続けている。中露がいざ攻撃してきた場合には北朝鮮も便乗して核ミサイルを打ち込んでくる可能性だって十分にあるのだ。これらは夢想ではなく現実の差し迫った脅威なのである。